2014年10月20日月曜日

エボラのゆくえ

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エボラはどうなるんでしょうかね。
最近は報道も落ち着いてきて(日本にまだエボラ患者が来てないからだと思いますが)
当初の恐怖は薄らいできました。
私自身も、エボラの感染力はどうもそんなに強くなさそうであるので、案外すんなりと収まるんじゃないかと予想しています。

加えて、
富士フイルムのファビピラビル(アビガン)という薬剤がエボラにもよく効くらしいと。

DNAポリメレースやRNAポリメレース、タンパク質の生産工場であるリボソームは生命の根幹部分をになっているため、構造がよく保存されていることが多いものです。

ファビピラビルはRNAポリメレースに結合して、ウィルスの複製を阻害すると考えられています。(エボラウィルスの遺伝子はRNAであり、それを増やすために独自のRNAポリメレース遺伝子を保持しています。)
ファビピラビル自体はRNAと似た形の物質であり、核酸アナログと呼ばれるものです。
ファビピラビルがRNAポリメレースに結合して、RNA複製を阻害する。エボラウィルスは増殖できない。

といいつつも、実際に先進国で感染が拡がらないと思っているのは、この病気はやはり公衆衛生と深く関わっているからだと思います。中世ヨーロッパで黒死病と恐れられたペスト菌は、遺伝子をほとんど変えることなく現代にも存在しています。しかし、中世ヨーロッパでのように感染が拡大することはありません。もちろん、抗生物質という発明があったからというのも大きいのでしょうが、公衆衛生が様変わりした結果とも言われています。中世ヨーロッパでは汚物を窓から公道に投げ捨てていたというのは有名な話です。

エボラウィルスも先進国において重症化した患者の世話をしている医療従事者に感染することはあっても、身近な人に感染したという報告例はないようです。(逆にこれが出てきてから恐れても遅くはないと思います。)


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